「繰り返される大ポカ。治せないことを受け入れ、環境を作る。」20代で億り人 キムラダイスケが語るADHD特性 - 発達障害経営者コミュニティ「僕らはみんなミスってる」

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「繰り返される大ポカ。治せないことを受け入れ、環境を作る。」20代で億り人 キムラダイスケが語るADHD特性

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30棟を超える物件を運用する不動産投資家であり、住宅工事会社を経営する実業家、キムラダイスケさん。

若くして巷でいうところの「億り人」となり、順風満帆に見えるそんな若手経営者も、実のところ発達障害特性を持つがゆえに様々な苦労をなさってきてるようです。

どんなご苦労があったのか詳しくお話いただきました。

 

目次

 

1.こっちからもあっちからも受ける注意 

2.出来ない・忘れる・冷や汗かく

3.受け入れて、環境をつくる

 

1.こっちからもあっちからも受ける注意

 

ーー今回はADHD特性に関してお話をうかがってまいります。本日はよろしくお願いいたします。

 

キムラ:「よろしくお願いします。」

 

ーーさて、ADHDという発達障害特性は、衝動性・多動性・注意欠陥が顕著に見られるのがその特徴ですが、発達障害と明確にわからなくても、ご自身で「なにか普通と違うぞ」と気づかれたのはいつごろでしょうか。

 

キムラ:「そんなに昔の話ではないですね。20代半ばごろです。生活をする、仕事をする上でいろいろな人と関わり合うのは当然ですが、まず生活上では、妻からたびたび指摘と注意を受けていました。仕事に向かう前に「書類忘れてるよ」とか「また鍵ないじゃない」とか些細なことならいくらでもあります。」

 

「仕事上では、従業員から「社長ヤバいっすよ。アポ忘れてますよ。」など言われることが何回もありました。なんで自分はこんなに注意を受けるんだろう、何かがおかしいと考え本やネットで色々と調べたら「これじゃん」というのがADHDの特性にピッタリあてはまりました。」

 

ーーあまりにも人から注意を受けてお気づきになったんですね。とにかく「普通ではない」と。

 

キムラ:「そうですね。」

 

2.出来ない・忘れる・冷や汗かく

 

ーー衝動性・多動性・注意欠陥があることにより、様々な苦労や困難があると思います。これまであったことを具体的に教えていただけますか。

 

キムラ:「わかりました。ADHDの3つの大きな特性すべてが合わさっているとは思いますが、社会生活上必ず求められることの多くが出来ません。

 

「まず、タイムリーなコミュニケーション。メールできた物件に関する問い合わせがありました。内容は少し考えてまとめるためすぐには返事を返せません。少しの時間がいる。その少しの時間をとることを決め「あとで考えて返信しよう」と方針を決めました。」

「で、結果は返信したかというとしていない。寝かせてしまったんです。時間を空けたことで、メールがあったということ自体がスッと記憶からは消えてしまいました。こんなことはよくあります。メールを読み返信する、この行為の間に時間が挟まるともう私にとっては返信ができない、メールがあったという記憶がないのだから。

 

「次に、モノの管理。これが出来ない。不動産取引は銀行に出向いて、売り主さん、銀行さん、買い主が集まって書類にペタペタと決済印を押すという形式で行われます。この決済印がないと取引がすすまない(厳密にはそうではないですが)。」

 

「で、私なんかは取引の当日でもギリギリに起きるものですから朝からバタバタしている。そして重要であるはずの決済印を忘れる。印鑑を押す書類を目の前にして、いざカバンの中を探しても、あるべきものがない。不動産取引は登記や税金の関係で、期をまたいだり年度をまたいだりしてしまうと数千万の損がでたりします。いまここで取引がなされなければいけないのに、それに必要な印鑑が見当たらないんです。冷や汗をかきながら「ヤバい。終わった。もう死のう。」とまでその時は思います。」

 

「そんな時に妻から電話があり「いま取引銀行のある駅にいるけど、印鑑忘れてるよね。持ってきたけど。」と言われ、駅まで猛ダッシュ。なんとか事なきを得たということがありました。大事なモノであるけれど、注意力がないためどうしても忘れてしまう。できた妻がいて本当に助かっています。夫の取引の日まで押さえている奥さんなんてそうそういないでしょう。」

 

「そして、スケジュール管理。これだってぜんぜん出来ない。アポイントメントがあり、先方が「30分後にうかがいます」と電話を入れてきてくれて、私も「はい。分かりました。お願いします。」と応じた。で、30分後にお客様がきて、「はい?」となる。私はその30分間、携帯でいろいろと従業員に指示を送ったりしていて、そうしていることでアポイントメント自体が記憶のどこかに埋もれて消えている。別の件ではこんなこともありました。「

 

「『一週間後の何日に地元の店で』という約束があったとき、当日に私は衝動的に東京に出てしまっていて、先方から「もう30分以上待ってるんだけど」という知らせが入る。冷たい汗が流れますよね。アポイントはとっても管理してそれに合わせるというのが決定的にできないんですね。」

 

3.受け入れて、環境をつくる

ーー注意力に欠け、全般的に事柄の管理ができないということのようですね。それでも事業をやっている以上、不測の事態に陥らないようご自身で工夫されていることってありますか。

 

キムラ:「はい。発達障害特性で、努力しても出来ないことは出来ない。そのことをまず受け入れています。それでもどうしたらやっていけるかを考えています。スケジュールに関しては、従業員に把握してもらってなんとかやっています。アポで私と会う約束を入れるときは、口頭ではなく文書ベースにして紙に残し、必ず私に見える形にして置いておいてもらいます。

 

「モノに関しては、まだまだ改善の余地がありますが、これも周りの助けを借りつつ環境を整えることで折り合いをつけています。必要なモノは複数用意しておくということをやっています。」

 

「たとえばボールペンなんかは、私は無限に持っています。どうしてそんなに要るんですかと聞かれることもありますが、とにかく私が立ち寄るあらゆるところに置いてあります。メモもとれるように記入用の方眼紙も同じ場所に束でペンとセットにして。」

 

「私にとってモノがあるかないかは、私が寄ったところ座ったところにあるかないかであって、どこかの引き出しに用意されているというのではないに等しいんです。なので、モノを複数、いろいろな場所にあらかじめ置いて必要なときにすぐ使える環境を整えています。」

 

ーー出来ないならなるべく出来るようにするにはどうするかというのを、環境づくりからやっているわけですね。今回はありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。

 

キムラ:「はい。よろしくお願いします。」

 

第二弾に続く

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